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Amazon Prime Videoで配信されている映画『52ヘルツのクジラたち』を鑑賞いたしました。
評価:★★★★☆
原作は町田そのこさんの本屋大賞受賞作。 映画は杉咲花さん主演で、静かで深い痛みと、その先に差すかすかな光を描いたヒューマンドラマです。
(※原作未読のため、映画のみの感想です)
静かな痛みと、届かない声の孤独
この作品は「52ヘルツ」という、他の仲間には決して声が届かない高い周波数で鳴くクジラの比喩がとても繊細で美しく、登場人物たちの孤独や傷と重なって胸に迫ります。
派手な展開ではなく、心の奥底に沈んでいた痛みが、ゆっくりと水面に浮かび上がってくるような感覚。テーマが重い分、観る側の心に響く“暗さ”はございます。けれど、決して絶望だけでは終わらない。観終わったあとには、どこか爽やかさすら感じる不思議な作品でした。
優しさと痛みのあいだで
虐待や孤独といった重いテーマの中にある“救いの瞬間”が、とても丁寧に描かれています。
ただ、少しだけ個人的な感想を申し上げれば、 「こんなヒーロー、現実には現れないのでは……?」 と感じてしまった部分もございます(笑)。
物語の軸となる「愛」のきっかけが、映像だけでは少し分かりづらかったかもしれません。そこは原作を読めば、また違った解釈ができるのかしら。 けれど、「愛・優しさ・嫉妬・暴力」は紙一重であるという、人間のもつ本質的な部分が鋭く描かれており、2時間があっという間でございました。痛みが強い人ほど、誰かの声に共鳴できる。弱くたって誰かの助けになる。人の繋がりというものの素晴らしさを、力強く感じましたわ。
俳優陣の魅力:静かな熱量と説得力
この映画は、俳優陣の“静かな熱量”が本当に素晴らしいのです。
- 杉咲花さん 言葉にできない感情が表情だけで伝わる繊細な演技。痛みと優しさを見事に体現されていました。
- 西野七瀬さん 可愛らしさはもちろんですが、母親役としての複雑な苦しみや弱さを、見事に表現されていて驚きましたわ。
- 志尊淳さん 優しさと葛藤。この人の嫉妬の表現、繊細で良かったです。
- 宮沢氷魚さん 誠実で温かな存在感。物語の中では、光そのものを象徴しているかのように思えました。
- 池田成志さん この方の存在なしには語れないほど、素晴らしかったです。物語に強い説得力を与えていました。
この男性陣の主人公へのかかわり方が見事に調和していて、杉咲花さんの繊細な表現にぴったりとはまっているのです。それぞれが本当に魅力的でした。
マダムの一言:心の奥にそっと触れる時間を
『52ヘルツのクジラたち』は、静かに、でも確実に心を揺らす映画です。
正直に申し上げまして、心が弱りきっている時には少し重すぎるかもしれません。 けれど、演技に説得力のある俳優陣による、深く、美しい物語。わたくしは「この映画を観てよかった」と心から思いました。 冷たい空気の流れる冬に観るのは、ぴったりだと思います。
ご興味のある方は、ぜひAmazon Prime Videoでご覧になってみてください。



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